茨城県北ロングトレイルプロジェクト

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　茨城県北エリアの日立市、常陸太田市、常陸大 宮市、大子町、北茨城市、高萩市の６市町を巡 る320㌔に渡るロングトレイルでつなぐ“壮 大なトレイル・プロジェクト”。茨城県北に 数多く存在する里山や集落を巡りながら、日 本の原風景にふれることのできるバリエー ション豊かなコースが魅力。スタートとゴー ルを作らずループにすることで、里山全体の 深い自然と地域の魅力を丸ごと発信し、長い 旅をゆっくりと楽しむことができます。

魅力的なロングトレイルを

素晴らしい自然を活かしながら

　「実は先週末もみんなでトレイルの整備に行ってきたんです。難しい場所で、けっこう大変でしたけ ど充実感がありますね。台風被害で不通となった水郡線に沿った場所を、春の運転再開に向けて、トレ イル10㌔の整備を間に合わせたいと考えているんです。」茨城県北ロングトレイルプロジェクト協力隊 の隊長で、アウトドア専門店ナムチェバザール社長の和田幾久郎さんはこう語ります。 　茨城県には標高1000メートルに満たない山々が140以上もあり、そのそれぞれに今は使う人のいなく なった街道や古道が沢山あります。県北地域6市町にまたがるその山道を「つなぎ合わせることで、魅 力的なロングトレイルができるのでは」と思ったことがこのプロジェクトの始まりでした。「豊かな森 林資源を荒れさせず持続可能な発展を目指す環境トレイル」というコンセプトに、県北のトレイル事情 に精通した人々が集まり、“茨城県北ロングトレイルプロジェクト協力隊”が誕生したのが2018年。協 力隊の隊員は現在350人を超え、里山・地域・環境を結ぶ取り組みが広がっています。 　「よくぞそのまま美しい日本の田舎が残っていてくれた、というのが素直な気持ちで、この素晴らし い自然環境でロングトレイルを実現できれば、ここならではの文化が生まれると思うんです」。和田さ んの描く夢は壮大です。「コロナ禍の中で発見できたのは、人が自然を求め、身近な家族や仲間との結 びつきを求めたということ。今後5年のスパンで考えても、新しい日常の選択肢の中には、キャンプや 旅行などのアクティビティとともに、田舎での暮らしや起業など、茨城県の自然の魅力と連携できる可 能性が広がるはずです」。トレイルがループをつなぐにはまだ数年はかかり、「地元に独自のトレイル 文化が生まれるには10年か20年かかるかわかりません」。それでも、県北ならではの「トレイル文化の 価値や形は自分たちが地域の歴史と未来を考えることで変わって行くんだと思います。なので、今は 種を撒き、育ててくれる人を集める時期。みんなのトレイルになることが完成のイメージなので、隊員 もこれから数千、数万人と増えていってほしいですね」。和田さんは笑顔でこう語ってくれました。

Namche Bazar

ナムチェバザール

本格登山からキャンプ、トレランまで豊富な品揃え!! アウトドアグッズの地域一番専門店にようこそ！

　茨城県水戸市の「ナムチェバザール」は、和田さんの原 点である米国・REI本店（シアトル）に着想を得た“みん なのアウトドアショップ”。「ザ・ノース・フェイス」や「パ タゴニア」「アークテリクス」などの最新アイテムをはじ め、個性派のキャンプ用品、トレイルラングッズなど魅力 いっぱいの品揃え！店舗名は“シェルパの里”として知ら れるヒマラヤ登山の拠点の村・ナムチェバザールから命 名しています。